
劇中の象徴的な名シーンより。
抑圧された魔女エルファバが、信念のために立ち上がる瞬間を描いた一曲。
#1「Popular」が“他者にどう見られるか”の歌だったのに対し、
“Defying Gravity”は“自分がどう生きるか”を貫く宣言の歌だ。
✨ 曲の背景
『Wicked』は、善と悪の境界を問い直す物語。
“Defying Gravity(重力に逆らう)”は、エルファバが「もう誰にも従わない」と決意する転換点のナンバー。
舞台でも映画でも、彼女が宙に舞い上がるこの場面は最大のハイライトだ。
この曲には、「他人の評価ではなく、自分の信じる道を選ぶ勇気」というメッセージが込められている。
🎵 歌詞抜粋と“癖あり和訳”
🎵 “Elphaba, why couldn’t you have stayed calm for once? Instead of flying off the handle?”
「どうして少しでも落ち着いていられなかったの? すぐカッとなるんだから。」
→ “fly off the handle” は「カッとなる」「怒りを爆発させる」というイディオム。
感情を抑えきれない様子を表現しており、ここではグリンダがエルファバを諫める場面。
感情的な対立が頂点に達する直前の一言だ。
🎵 “I’m through with playing by the rules of someone else’s game.”
「もう他人のルールで生きるのはやめる。」
→ “I’m through with ~” は「~を終わりにする/もうやらない」という強い意思表現。
“playing by the rules of someone else’s game” は直訳すれば「他人のゲームのルールでプレーする」。
つまり「他人の価値観に縛られるのはもう終わり」という、エルファバの覚醒の瞬間。
🎵 “It’s time to try defying gravity. I think I’ll try defying gravity. And you can’t pull me down.”
「今こそ、重力に逆らう時。やってみよう。もう誰にも私を引きずり下ろせない。」
→ “It’s time to try” は「〜に挑戦する時が来た」というポジティブな決意。
“defy gravity” は直訳で「重力に逆らう」だが、比喩的には「常識・束縛・恐れを超える」。
“pull me down” は「足を引っ張る/押しとどめる」の意。
この一節で、エルファバはついに“空へ飛び立つ”ことを選ぶ。
🎵 “Everyone deserves the chance to fly.”
「誰だって、飛ぶチャンスを与えられるべきなの。」
→ “deserve” は「〜に値する」「〜を受ける資格がある」。
つまり「誰もが夢を見る権利がある」という、人間としての尊厳を肯定する言葉。
この一文は、エルファバの行動が単なる反逆ではなく、“平等と自由”を求める信念から来ていることを示している。
🎵 “And nobody in all of Oz, no Wizard that there is or was, is ever gonna bring me down.”
「オズのどんな者も、今も昔も、もう誰も私を押さえつけることはできない。」
→ “bring me down” は「落ち込ませる」「抑えつける」という比喩表現。
“there is or was” と時制を重ねることで、「過去にも未来にもいない」と強調。
この一節が、エルファバの完全な解放を象徴するクライマックスだ。
💬 英会話で使えるフレーズ解説
| フレーズ | 意味 | 使用シーン例 |
|---|---|---|
| fly off the handle | カッとなる・怒る | 感情的になった人の説明に使うとき |
| I’m through with ~ | ~をやめる/終わりにする | 決意・別れ・転職宣言などに |
| It’s time to try ~ | ~に挑戦する時が来た | 前向きな自己宣言・スピーチに |
| You can’t pull me down | 誰にも止められない | 自信や決意を伝えるときに |
| Everyone deserves the chance to ~ | 誰もが~するチャンスを持つべき | 理想・公平・チャンスを語る場面で |
| bring me down | 落ち込ませる・抑えつける | ネガティブに影響を受けたくないとき |
🧭 まとめ ― “Defying Gravity” が教えてくれる「自分軸」
「Defying Gravity」は、ただのパワーバラードではない。
それは、“他人の価値観を手放す勇気”の歌。
英語学習でも同じで、完璧を求めるより、
「自分の言葉で伝えよう」と一歩踏み出すことが大切だ。
“Let’s defy gravity”――
重力(=不安・恐れ・他人の目)を超えて、自分の声で話していこう。
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