
■ なぜ今さらWickedなのか
2024年の映画『Wicked』を、私は公開当時に3回も観ました。
ミュージカル版からのファンで、音楽・演出・セリフのすべてに引き込まれたからです。
そして来年には後編『Wicked Part 2』の公開を控え、もう一度この世界を整理しておきたい。
そんな思いから始めた「Wickedで学ぶ英会話」シリーズの第1弾です。
■ 今回の曲:Popular
アリアナ・グランデ演じるグリンダが、地味なエルファバを“人気者にする”ための歌。
一見コミカルですが、「外見・自信・社会的地位」など、現代にも通じるテーマが潜んでいます。
この曲の中で注目したいのが、
“I'll teach you the proper ploys, when you talk to boys!”
以前は “poise(品位・落ち着き)” と聞き間違えられてきましたが、
2024年にアリアナ本人が「正しくは ploys(策略・手段)」だと明言。
つまりグリンダは“上品さ”ではなく、“人気者になるためのコツ”を教えているのです。
■ 歌詞抜粋と“癖あり和訳”
🎵 "I've decided to make you my new project."
「あなたを、私の新しいプロジェクトにすることにしたの。」
→グリンダがエルファバを“改造計画”の対象にする宣言。
英語では「make someone my project」で「自分が面倒を見る」「成長を助ける」という皮肉混じりの言い回し。
🎵 "Don't worry — I'm determined to succeed."
「心配しないで。私は絶対に成功してみせるから。」
→“determined to succeed” は「成功を決意している」という強い意志表現。
英会話でも「I’m determined to ~」は自己目標を語るときによく使われます。
🎵 "Everything that really counts to be popular."
「人気者になるために本当に大事なこと、全部教えてあげるわ。」
→“that really counts” は「本当に重要な」。
軽い言葉の中にも「本質を押さえる」という意味が込められています。
🎵 "Don't be offended by my frank analysis."
「率直な分析に気を悪くしないでね。」
→“frank analysis” は“率直な意見”の意味。
皮肉を交えつつも誠実に助言するときに使える表現です。
🎵 "You'll be popular — just not as quite as popular as me!"
「あなたも人気者になれるわ、まあ…私ほどじゃないけどね!」
→最後のオチ。
“not quite as 〜 as …” は「…ほど〜ではない」という比較表現。
軽口や冗談を交えたいときにぴったり。
■ 英会話で使えるフレーズ解説(曲中から抜粋)
| フレーズ | 意味 | 使用シーン例 |
|---|---|---|
| I’ve decided to make you my project. | あなたを指導対象にするね | 後輩や友人を助けるとき |
| I’m determined to succeed. | 絶対に成功してみせる | 自己宣言・面接・スピーチで |
| That really counts. | それが本当に大事だ | 本質を語るとき |
| Don’t be offended by my frank analysis. | 率直に言ってもいい? | 助言・フィードバックの前置きに |
| Not quite as ~ as me. | 私ほどじゃないけどね | 軽い冗談・親しい会話で |
■ まとめ:Wickedが教えてくれる“自己肯定”
「Popular」は単なる“メイクアップソング”ではありません。
グリンダの「人気者になれるよ!」という言葉の裏には、
“自分を信じて一歩踏み出す勇気を持て”というメッセージがあります。
外見も中身も、努力で磨かれる。
英語も同じで、「どう話したいか」を意識することが上達の第一歩。
“Popular”のように、堂々と自分を表現する英語を身につけたいですね。
📌 次回予告
次回は名曲「Defying Gravity」を取り上げます。
グリンダとは対照的なエルファバの“信念の英語”を掘り下げていきます。
