うちの社宅に、アメリカ人のアメフト選手が引っ越してきた。
黒人系でドレッドヘア、身長は190cmといういかつい風貌。
だが性格はとても紳士的でフランク。英語で話しかけるといつも笑顔で返してくれる。
ある日、その彼に誘われて社会人アメフトの試合を観に行った。
うちの会社は「X1 SUPER」というリーグに属しているらしく、
日本の社会人アメフトのトップリーグだという。
ライスボウルに向けて、チームの活躍を心から応援したい。
学生時代の愛読書『アイシールド21』を再び手に取る
そんな出来事をきっかけに、ふと学生時代に夢中で読んでいた
『アイシールド21』を無性に読み返したくなった。
中校生の頃、あの作品に惹かれた理由は単純だった。
夢に向かって最後まで諦めない粘り強さ。
仲間のために敵を倒す覚悟。
そして何よりも、男のスポーツに宿る「熱」。
努力と友情と勝負の世界に、あの頃は純粋なロマンを感じていた。
15年ぶりの再読で見えた“凡才たちの努力”
社会人になって、15年ぶりに読み直してみると、
視点がまったく変わっていた。
ヒル魔、雪光、小結、高見、桜庭、葉柱──。
彼らのように、生まれ持った才能や恵まれた環境がない者たちの努力が、
こんなにも丁寧に、熱く描かれていたのかと改めて気づいた。
世の中には上を見ればキリがないし、天才は死ぬほどいる。
自分もありがたいことに恵まれた環境で学び、
大手企業に就職できたが、
仕事をしていると自分よりできる人間がいくらでもいる。
効率よく立ち回って何でも手に入れる人間を見て、
虚しく感じたことも正直ある。
だが、人はそんなにすぐには変われない。
結局のところ、自分ができることを地道に伸ばし、
自分が戦いやすいフィールドを選んでいくしかないのだと思う。
印象に残る言葉 ― ダレル・ロイヤルの名言より
物語の中でたびたび出てくる、印象的な一節がある。
テキサス大学の伝説的コーチ、ダレル・ロイヤルの言葉だ。
「フィールドでプレーする誰もが、必ず一度や二度は屈辱を味わわされるだろう。
打ちのめされたことがない選手など存在しない。
ただ一流の選手はあらゆる努力を払い、速やかに立ち上がろうとする。
並の選手は少しばかり立ち上がるのが遅い。
そして敗者は、いつまでもグラウンドに横たわったままである。」
― 『アイシールド21』より
中学時代に読んだときは流し読み程度でしかなかったが、
今読むと、これは人生そのものへのメッセージだと思う。
30代、再び挑戦のステージへ
30代は、20代で学んだことや身につけたスキルを活かしていくステージ。
だが同時に、今からでも学べることは無限にある。
新しい挑戦をするのに、遅すぎるということはない。
これからも挫折と挑戦を繰り返しながら、
ビジネスパーソンとして一歩ずつ高みを目指していきたい。
最後に ― 少年マンガは大人にこそ刺さる
『アイシールド21』は、ただのスポーツ漫画ではない。
凡才たちが自分の弱さと向き合いながら、
自分の“勝てる場所”を見つけていく物語だ。
大人になった今だからこそ、
彼らのセリフや行動の一つ一つに、心が震える。
まだ読んだことのない方は、ぜひ一巻だけでも手に取ってみてほしい。
きっと、学生時代の情熱や悔しさ、
そしてあの頃の自分の“夢中になれた気持ち”を思い出すはずだ。
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