なんちゃって東大卒の暇つぶし

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映画「ウォール街」の名シーン「貪欲は善である」のスピーチから学ぶ英語

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天才投資家ゴードン・ゲッコー役のマイケル・ダグラスがかっこよすぎる!

先日、私は就活生の妹と「ウォール街」という映画を見ました。

 

この映画は1987年、ちょうど日本がバブル経済で狂乱していた時期に公開され、投資に興味のあったサラリーマンやOLの間で波紋を呼ぶ作品となったのでした。

 

映画の舞台であるニューヨークのウォール街でも実際に大きな影響を与え、カリスマ投資家ゴードン・ゲッコーにあこがれた若者が投資銀行に入社したり、ファッションを真似したりするケースが後を絶たなかったとか・・

 

あらすじはWikipediaから貼っておきます↓

ネタバレされたくない人は飛ばしてください

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証券会社に勤める営業マンのバドは、貧しい生活に嫌気が差し、出世を夢見ていた。ある日バドは営業のために、投資家ゴードン・ゲッコーのオフィスを訪れる。ゴードンは始めバドに興味を示さないが、バドが父の務める航空会社"ブルースター・エアライン"の内部情報を話すと、ゴードンは興味を示し注文を取ることに成功する。

ゴードンはバドの功名心につけこみ、インサイダーを行うための情報収集を指示する。バドは友人の弁護士法人のオフィスに清掃員の監督として忍び込み、スパイ活動まで行って企業秘密をゴードンへ提供する。報酬を得てリッチになったバドは、ゴードンから紹介された美しいフランス人女性ダリアンと恋仲になり、高層マンションで同棲し栄華を極める。

バドは自分の企画として、父が勤める経営破綻寸前のブルースター社の買収をゴードンへ提案する。始めは相手にしないゴードンだが、父が同社の労働組合幹部であり、組合員を説得したうえで買収できるとバドが強気に説得すると、ゴードンは買収を決める。

バドは父を含めた3人の組合長をゴードンに引き合わせる。ゴードンが買収のメリットを説明すると2人の組合長は納得するが、バドの父だけは投資家が金儲けのためにやることだと猛反発する。バドが説得するも父は「ゴードンは信用できない」と納得せず、親子喧嘩となり物別れに終わる。

買収はうまくいくと思っていたバドは、友人の弁護士法人を訪問した際、ブルースター社の経営再建会議に参加するよう言われる。会議でゴードンの嘘・欺瞞が判明し、バドは騙されていたことに気付く。ゴードンはブルースター社を再建する気など毛頭無く、同社を解体し航空機や設備を全て売り払い、従業員の年金積立金7500万ドルを自分の利益にする計画だった。状況を悟ったバドは落胆・憤慨し、ダリアンは家を出ていく。さらに父が病で倒れると、見舞いに訪れたバドは父に会社を救う事を告げ、ゴードンに対抗する計画を立てる。

バドは密かにゴードンのライバルである投資家、ワイルドマンのもとへ組合長たちを引き連れて訪れる。全従業員が給料20%カットに応じるのでリストラはしないことを条件に、ブルースター社の株が暴落した時にワイルドマンが買収する計画を持ちかける。航空会社を組合の同意のもと買収でき、かつゴードンを貶めることができる計画にワイルドマンは応じる。

決戦の日、バドは仕手戦を仕掛ける。バドが証券会社の同僚にブルースター社の株を買うよう指示すると、マーケットはすぐ反応し同社の株価は高騰する。ゴードンは「誰かが情報を漏らしている」と憤慨しながらも、高騰中の同社株を買い続ける。頃合を見てバドが同僚に売りの指示を出すと、売り注文が殺到し今度は株価が急落する。ワイルドマンの助言もあり同じことをもう一度行うと、取引終了間際ブルースター株は大暴落した。ワイルドマンは最安値で同社株を買い付け、それを知らないゴードンは逆に大引けの直前に持ち株を売却し大損を出す。

翌日のニュースで、ワイルドマンがブルースター社を買収したことを知るとゴードンは激怒する。一方、父の会社を救い、ゴードンにも報復できたバドは意気揚々と出社するが、社内には不穏な空気が流れている。自室に着くと、証券取引委員会のメンバーと警察が待っており、バドはインサイダー取引容疑で逮捕される。

後日、バドとゴードンは二人きりで面会する。裏切りに激怒するゴードンは、自分の指示どおり動かなかったことを叱責しバドを殴る。ゴードンが去った後、バドは近くの店に入る。そこに待機していた証券取引委員会の面々に、密かに録音していたテープを渡すと「君は正しいことをした」と告げられる。後日、退院した父の車で送られながらバドは裁判所に向かう。

 ウォール街 (映画) - Wikipedia

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さて、今回の記事は映画の中でも最も印象的だったゴードン・ゲッコーのスピーチを和訳しながら、英語を勉強していこう!という試みです。

 

場面設定としてはTelder  Paper社という株式会社の株主総会(?)で、最大株主であるゲッコーの強引な経営方針に対して会社の経営陣代表のクロムウェルが強い非難の色を示している、というところです。

 

ゲッコーは経営陣と他の株主に対して、"Greed is good, 貪欲は善である" というスピーチで返します。このスピーチが本当に上手くて、私も気づいたらがっつりと聞き入ってしまっていました笑

  

www.youtube.com

 

セリフはこちらから持ってきました。

American Rhetoric: Movie Speech: Wall Street - Gordon Gekko Addresses Teldar Shareholders - Greed is Good

 

早速和訳していこう!

Gekko: Well, I appreciate the opportunity you're giving me, Mr. Cromwell, as the single largest shareholder in Teldar Paper, to speak.

 

ゲッコークロムウェルさん(恐らく代表取締役社長)、こうして私の話をする機会を設けてくださり、誠にありがとうございます。今日はTelder Paper社の唯一にして最大の株主として、話をさせていただきます。

 

Well, ladies and gentlemen, we're not here to indulge in fantasy, but in political and economic reality. America, America has become a second-rate power. Its trade deficit and its fiscal deficit are at nightmare proportions. Now, in the days of the free market, when our country was a top industrial power, there was accountability to the stockholder. The Carnegies, the Mellons, the men that built this great industrial empire, made sure of it because it was their money at stake. Today, management has no stake in the company!

 

紳士淑女のみなさん、私たちは幻想にふけるために集まっている訳ではありません、政治と経済について現実を見ようじゃないですか。アメリカは・・アメリカはついに世界で2番手の勢力に落ちてしまいました。わが国の貿易赤字財政赤字は今や悪夢のような惨状になっています。さて、かつて自由市場が機能していたとき、つまりわが国の工業力が世界でトップを走り、株主に責任があった時代の話です。カーネギー財閥やメロン財閥の創始者らはこの偉大な帝国を築き上げ、そして管理しました。なぜなら、彼らの金で会社の株を独占できていたからです。ですが、今日では経営層は会社の株をほとんど持たなくなりました!

 

All together, these men sitting up here ”Teldar management” own less than 3 percent of the company. And where does Mr. Cromwell put his million-dollar salary? Not in Teldar stock; he owns less than 1 percent.

 

そこに偉そうに座っているTelder社の「経営陣」たちは全員合わせても会社全体の3パーセントすら保有していません。それではクロムウェルさんに支払われる何百万ドルものお給料はいったいどこに消えるのでしょうか?Telder社の株ではないことは間違いないです。彼はたったの1%しか持ち合わせていませんのでね。

 

You own the company. That's right -- you, the stockholder.

 

この会社の真の所有者はあなたがたです。そうです、あなたたち株主なのです。

 

And you are all being royally screwed over by these, these bureaucrats, with their steak lunches, their hunting and fishing trips, their corporate jets and golden parachutes.

 

なのにも関わらず、あなたたちはまんまとこの官僚主義者たちにハメられていることに気づかれていない。この人たちは毎日ステーキランチをし、余暇には狩りや釣りを楽しみ、金のパラシュート付きの社用ジェット機まで持って贅沢三昧だというのに。

 

Cromwell: This is an outrage! You're out of line, Gekko!

 

クロムウェル:もう頭にきた!今すぐ出て行け!ゲッコー!

 

Gekko: Teldar Paper, Mr. Cromwell, Teldar Paper has 33 different vice presidents, each earning over 200 thousand dollars a year. Now, I have spent the last two months analyzing what all these guys do, and I still can't figure it out. One thing I do know is that our paper company lost 110 million dollars last year, and I'll bet that half of that was spent in all the paperwork going back and forth between all these vice presidents.

 

クロムウェルさん、Telder Paper社は、33人もの副社長を抱えており、それぞれが20万ドル以上のお給料を毎年もらっている。さて、実は私はこの2ヶ月間この人たちがどんな仕事をしているのか分析してきました・・そして今でもその答えが見つからないんですよ。ただ一つ確実なことはこの会社の去年1.1億ドルの損失の半分は、この人たちの間の無駄な書類申請のやりとりによって生じたということです。

 

The new law of evolution in corporate America seems to be survival of the unfittest. Well, in my book you either do it right or you get eliminated.

 

今の株式会社アメリカ合衆国の新しい進化論はこの不適合者たちの遺物です。私に言わせると、きちんとやるべきことをやるか排除されるか、ただそれだけのことです。

 

In the last seven deals that I've been involved with, there were 2.5 million stockholders who have made a pretax profit of 12 billion dollars. Thank you.

 

私が関わったここ最近の七つの取引で、250万人の株主が税前で1200億ドルの利益を生み出すことができました。どうもありがとう。

 

I am not a destroyer of companies. I am a liberator of them!

 

私はこれらの会社を破壊したのではない。むしろ解放してやったのです!

 

The point is, ladies and gentleman, that greed -- for lack of a better word -- is good.

 

紳士淑女の皆さん、重要なことは、貪欲さ・・というのは・・他にいい表現がないのですが・・善である。ということです。

 

Greed is right.

 

貪欲さは正しく、 

 

Greed works.

 

貪欲さは社会を機能させます。

 

Greed clarifies, cuts through, and captures the essence of the evolutionary spirit.

 

貪欲さは進化しようという意志を明確にし、開拓し、そして魅了するのです。

 

Greed, in all of its forms -- greed for life, for money, for love, knowledge -- has marked the upward surge of mankind.

 

貪欲さはどんな形であっても、例えば命、お金、愛、知識など、いずれにおいても人類の成長の糧となってきました。

 

And greed -- you mark my words -- will not only save Teldar Paper, but that other malfunctioning corporation called the USA.

 

そして、貪欲さは・・よく聞いてください・・貪欲さはTelder Paper社を救うだけでなく、アメリカ合衆国という株式会社をも危機的状況から救うことができるのです。

 

Thank you very much.

 

ご清聴ありがとうございました。

 

Key Phrases

  • This is an outrage!

強い怒りを表す表現です。映画のアウトレイジを観た方は何となく意味が分かるのではないでしょうか。outrageは屈辱、怒り、憤りといった意味の名詞です。

株主総会というかなりフォーマルな場でも使える感情的な表現というのは英会話で知っておいても損はないですので、ぜひ機会があったら使ってみましょう!

 

  • Well, in my book you either do it right or you get eliminated

直訳すると「私の本の中では」という意味になりますが、これは「私の意見では」というイディオムです。"In my opinion,"とほぼ同じ意味だと思います。

 

  • you mark my words

 強く念を押すフレーズです。日本語では「よーく聞けよ・・」見たいな意味です。

例)

Mark my words...I'll never forget what you've done to me!

よく覚えておけよ・・・俺はお前がやったことを絶対に忘れないからな!

 

和訳解説

"the bureaucrats"など非常に皮肉の聞いた表現がちりばめられていますね。"Management own less than 3% of the company."のless thanなどは大学受験でも良く出ますね。「ちっとも~ない」と否定的な意味の文脈になります。 

 

このような皮肉表現を使って経営陣を逆に非難し、聴衆である株主たちを味方につけてしまう・・・そんなカリスマを持っているのが天才投資家ゲッコーなのです。

 

他にも"You own the company. That's right --- you, the stockholder. "など、スピーチ中は"you"という言葉を溜めて緩急つけたりしていました。

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後、印象的だったのは、"liberate", "America", "the USA"などアメリカ人が大好きな表現満載なところです笑

大統領演説などを見ても分かるようにアメリカでスピーチをするときに、こういう「いかにも」なフレーズをいくつか入れておくとめっちゃ喜ばれます

 

また、何箇所か(皮肉的な)笑いポイントを入れておくのも非常にアメリカっぽいと思いました。日本でよくある真面目一辺倒な演説はアメリカではあまりウケません

 

初めてこのスピーチを聞いたときに「え、この人めっちゃスピーチ上手いわ!」って感動しました。

 

こういう上手な人のスピーチから技術を盗んで、いつか自分が英語でスピーチをするときが来たときに活かしいきたいですね!

  

ウォール街」興味を持った方はぜひ観てみてください!↓

ウォール街 (字幕版)

ウォール街 (字幕版)

 

 

続編↓

ウォール・ストリート (字幕版)